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2008年2月11日

日経連載<変わる図書館>完結

 開始記事を書いてしまってたので、 完結記事も書いておかなくては。。。

 日本経済新聞で珍しく図書館をとりあげた連載が、先週末に完結していました。
 日経の短期連載コラムではいつものことですが、掲載日が必ずしも連日ではなく間隔もまちまちで(この連載では、 月火水月水月水金の順で掲載)、随分と戸惑わされますが、まぁ完結のときだけは明示してくれるのがせめてもの救いです。
 掲載日と表題は以下。

広角鋭角 第29 集 変わる図書館
(日本経済新聞 夕刊連載)
1.財政難でも理想追う/「民間任せ」見直す動きも 2008 年1 月21 日(月)
2.変わるビジネス支援/情報拠点 高まる存在感 2008 年1 月22 日(火)
3.郷土情報のデジタル化/参加型の歴史・文化事典 2008 年1 月23 日(水)
4.ネット情報を後世に/サイト収集・保存 課題山積 2008 年1 月28 日(月)
5.団塊世代に執筆指南/仕事の経験、地域に橋渡し 2008 年1 月30 日(水)
6.高齢者向けサービス/施設に出向き「思い出語り」 2008 年2 月4 日(月)
7.モラル低下に悩む/悪質な破損本 展示し訴え 2008 年2 月6 日(水)
8.委ねられる閲覧制限/「知る権利」「人権」に揺れる 2008 年2 月8 日(金)

 2~6が 『これからの図書館像』(文部科学省 平成18年3月)でも言及している具体的なサービスの形のレポートで、 残りが経営上の現在的課題というところですね。全8回という構成でのテーマの配分としてはまぁバランスのとれた形かと思えます。 正直なところで言えば、もう少し回数を増やして幅広くサービスのバリエーションを示して欲しかったところではありますが。

 日経がこういう特集を組んだ割には、ビジネス支援とかその周辺一辺倒になっていないのが面白いと思いました。ただ、 もう少しつっこんだ記述がほしかったような気もしてはいます。まぁ一般向け特集ならこんなところかとも思うのですが、例えば委託について、 同紙の博物館・美術館問題の一連の特集では、新たに受託に参入しようとした企業の<既にかなり経費を削った運営になっている。 これ以上の合理化は人件費しかない。再考が必要。>といった趣旨の証言も引き出していたわけですが、このシリーズでは、 そこまで踏み込んだ言及にはなっていません。また最終回の「図書館の自由」を扱った「委ねられる閲覧制限[の判断]」という視点も、 なぜ閲覧制限をしてはならないのか、というところの押さえを十分にせずに現象を追っているので、 なんだか緊張感のないぼやけた記述になってしまっていますよね。
 因みに、1回目の記事でICタグを使用している受託企業の発言で、 現状ではICタグを貸出処理や盗難防止などのレベルで運用しているとした後で「既存の利用法に加え、 別の新しい活用法もあるのではないかと模索している」とあるのは、 先月ネットで話題になった<○○を借りたあなたにお奨めの本はこれです>機能のことを言っているのでしょうけれど、 このあたりをもっと突っ込んだ記事にしてくれると丁度よかったのにと思いました。

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