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2007年9月11日

熊取町立一件補足

 昨日の熊取町立図書館の訴訟(敗訴)のエントリー一件、  はてなブックマークにあげてくださった方が複数おられていきなり3桁のアクセスになってました。「続報を期待」 と言われても困りますけれども(^_^;基礎的事実を記したフリーの新聞記事がどうにもみつからないので概略だけ記しておきます。

原告は
廃棄本が多いということで、情報公開制度により廃棄図書のリストを請求・入手

そのリストに基づいて廃棄が適切かどうかを確かめるとして相互貸借制度(大学図書館の方はILLとおっしゃいますが) を利用して2005年7月に37冊を図書館に請求

図書館は他館から取り寄せて貸し出した上で「今後、この制度で貸し出しは行わない」と原告に通告

2005年8月、原告が同様に19冊請求→図書館は「業務に支障が生じる」として拒否
(ただし図書館は廃棄本以外の予約は受け付け他自治体図書館からの取り寄せもしている)

 という流れのようです。

 相互貸借のコスト(送料)を図書館が被っているが、 その予算が一人の人の廃棄本チェックのためにほとんどが費やされることになるのは相互貸借制度の本旨ではないということでしょうか。 この辺りは図書館側の事情もわかります。相互貸借のコストの支出は、おそらく予算的な縮小率も高いところでしょうしね。。。ただ、 負ける喧嘩はやっちゃいけないわけで。。。

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2007年9月10日

熊取町立の損害賠償請求訴訟

 今日オンライン版が届いたニューズレター「図書館の自由」第57号(2007年8月)に

●熊取町立熊取図書館における損害賠償請求訴訟について

との記事が。
(このニューズレターの目次だけは以下から参照可)
http://www.jla.or.jp/jiyu/newsletter.html

 事案としては、

熊取町立熊取図書館が除籍処分した図書が適正かどうか調べるために、 情報公開請求で入手した除籍図書リストをもとに「よやくカード」で他館からの取り寄せを依頼した男性が、 制度の利用を拒否され精神的苦痛を受けたとして10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地方裁判所は 「拒否に正当な理由は認められない」として町に5万円の賠償を命じた(平成17年(ワ) 第10224号損害賠償請求事件 平成19年6月8日判決言渡)。     <上記記事より>

 というもので、極めてまっとうな判決。
 何ともコメントしづらいのは、「図書館の自由」の原則から言ってなんとも「筋の悪い」事案になぜ図書館側がのってしまったのか、という点。

 背景については、同じ関西のことなのでいろいろ仄聞はしているわけで、曰く原告は図書館だけではなく行政全体に対して情報公開要求・ 住民監査請求・訴訟を連発している人、曰く図書館が重点目標になっている、曰く今春の前館長の定年退職の後、 後任館長にとの内示を受けた人が図書館長としてこの原告と向き合うのがいやさに3月31日付けで急遽退職した、 曰くその後任となった図書館長も4月10日付けで退職した、曰く原告氏はこの春の町議選挙にも出馬したが2桁の得票数で落選(供託金没収) 云々。


 熊取町全体として対峙する関係にあることは、ある町議員のHPに掲載されている下記文書を見ても明らかなのだが (それにしてもこんな文書をHPで公開するか? ん~、偽文書だろうか(^_^; いやいや、 そうじゃないことは別ルートで確認してますけどね(-_-;)

図書館における損害賠償請求訴訟にかかる控訴について
http://www.rinku.zaq.ne.jp/egawa/070613zenkyou.htm


 ここに掲げられている「控訴の理由」の3点目(下記)は、「図書館の自由」だけではなく「図書館の論理/存在理由」 を否定してしまっている。

 3、 全国の公立図書館は、 自治体ごとに独立した図書館に所蔵していない図書についても、相互貸借を行い、すべての申込に応じることが義務であるならば、 全国の公立図書館に影響を及ぼす重大な問題であり、図書館本来の特性を考えると非常に認めがたい判決であるため、控訴を求めるものである。

 老生は「全国の公立図書館は、自治体ごとに独立した図書館に所蔵していない図書についても、相互貸借を行い、 すべての申込に応じることが義務である」と思っていますよ。もちろん事務量の問題として、 法外な件数については一定制限せざるをえないことはありうるとは思いますけどね。ただ、少なくとも、「申込みに応じる義務がある」 のは原則ではあるわけで。。。熊取町がこういう法廷戦略で臨んで勝てるとは思えないし、勝ってもらっても困ります。 法廷戦略としても稚拙だとしか思えないわけで、裁判ってのは、訴えられた事案そのものとして裁くんであって、 「このケースはひどいクレーマーさんだからこれは断ってもいいでしょう」という論理はたてられないですよねぇ。 なんだか行政と議会の意地に図書館が巻き込まれてしまった志の低い事例になっているように思えます。

 熊取ほどの図書館がこういう筋の悪い事案の当事者になってしまっているのが不思議だし、残念極まりないところ。 一体どうしたんだろう?

 

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