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2005年5月 6日

復刻(海賊版)『ちびくろさんぼ』は、、、

 3月に話題となり4月に瑞雲舎から復刻された旧岩波版『ちびくろさんぼ』についてのコメントを連休中に渡り歩いてみて「懐かしー」のオンパレードにいささかびっくり。過半数はそういう反応だろうとは思っていたけれど、九分九厘そうだとまでは。。。

 もちろん、個々人の「懐かしさ」に文句をつける筋合いではないのだし、1996年にアフリカ系アメリカ人向けの絵本として『さんぼ』をリメイクしたジュリアス・レスター(この人もかなり「意識的な」アフリカ系アメリカ人)だって子どもの頃に読んだ懐かしさを語って「だって、面白かったんだよ」ってなことをネットで書いていた。

 ただ口承民話から創作するような場合はともかく、ちゃんとオリジナルの絵本(テキスト+イラスト)として創作された絵本が、イラストを差し替えて何十種類もの版(つまり「海賊版」とでもいいますか)で流通してしまっていたというようなお話しは、ほとんどのブログで触れられてすらいないので、いささか驚いたという次第。この本を差別だと思うも思わないも、海賊版状況などのこの本の来歴とはまったく無関係には触れられないと思うんですけれど。。。

 数少ない例外が DORAの図書館日報さん(3月21日他)と本棚の魔女の、魔法の本棚さん(4月27日)くらいでしょうか。(他にもあるのでしょうが、なかなか見切れていない。そして、えらくタイミングを失したトラックバックで申し訳ないです。)

 ところで、この岩波版を復刻した瑞雲舎版って、原作はフランク・ドビアスのイラスト作品ですけど、そのマクミラン版オリジナルの表紙をみただけでも日本版と大きく違うのですよね。考えてみれば当然なので、岩波は日本風の縦書き絵本に仕立てたけれど、オリジナルの英語の絵本はそうじゃなかったでしょう。つまり横のものを縦にするということでかなり原作のイラストを切り貼りしている筈なのでして、いくら著作権の期限が切れていたのだとしても、「同一性保持権」的にはかわいそうなお話になっちゃってます。

 つまり、この絵本、ヘレン・バナーマンさんのオリジナルからすると、海賊版の上塗り状態なのですね。

1)1927 マクミラン社が、イラストをドビアス作に付け替えた。
2)1953 岩波がドビアスのイラストを切り貼りして絵本の構成として改変した。
3)2005 瑞雲舎が岩波に断りもなく岩波版をそのまま復刻した。(2の改変作業に岩波の編集著作権を認めるとしても出版後50年の2003年で著作権は期限切れですが。)

 褒められるにせよけなされるにせよ、自分が書いたオリジナル作品として評価されないのって、バナーマンさんもかわいそうですよね。

 因みに、老生自身は『ちびくろさんぼ』の幼児記憶がまったくありません。レイさんの「おさるのジョージ」シリーズとか、木下順二さんの『かにむかし』とかは鮮明な記憶があって「懐かしー」のですが、、、

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2005年5月 4日

Desperado は ならず者

 いきなり能書きとまったく違うネタから始まるのでごめんなさいだが、試し書きと言うことでお許しいただきたい。(一応あとで辻褄あわせの予定もあり。)
 先日、この3月末で定年退職した方々を送る職場の会があって出席。冒頭、主賓(退職者)に対する花束贈呈のBGMでDesperado(平井堅ヴァージョン)が流れ、(・o・)目が点になる。西部のならず者をテーマにした、30余年前のイーグルスの同名コンセプト・アルバムでこの曲に接した者としては、ジャケット裏でメンバー全員が死体になってマグロ状に地面に転がっている写真(ならず者の末路)が反射的に目に浮かんでしまうものでうろたえるのでありますな。主賓の定年退職者に花束贈呈した後で死体にして転がそうとでもいうのであろうか。。。そんな筈がないのは当然だが、楽曲の来歴を知っていれば「失礼やろ、それは」と思ってしまうのでありますが、どうやら他にうろたえている人はいない。何人かの人にネタを振ってみても、まともな反応は返ってこない。まぁ、老生と同世代でもこの曲にカーペンターズ・ヴァージョンで接した人の方が多いのだろうから無理もないか。
 結局、最後の主賓送り出しの時に流れたBGMが平井堅の「瞳をとじて」だったので、状況は理解できた。つまり会場の宴会担当者が平井堅つながりで叙情的なメロディーの曲をセレクトしたというだけのことだったのだろう。
 真理がわれらを自由にする「筈」というのが老生のような図書館に携わる者にとっての教条なのだが、現実の身過ぎ世過ぎの上ではこれは実に困った考え方ではある、という一例を体験した次第(初めてじゃないけどね)。ほんとのところ、詳しい事情や正確な来歴など知らぬ方が楽でいいのだよなぁ。親睦会に出てて気疲れしてちゃ割にあわんのだよ、やれやれ。

 因みに、イーグルスには適切に反応しなかったものの、勘のいい受け答えをした若いのが一人。「私の時には、クラプトンの Cocaine でお願いします。葦岸堂さんの時にはどれがいいか、決めておいてください。」これには、「Cocaine のどのヴァージョンがいいのかも、ちゃんと指定しておくように。」と応じておく。クラプトンさんは、最近ライブDVDがわんさかと出てくるおかげで定番楽曲はいくつものヴァージョン(テイク)が公表されている。Cocaineは少ない方やけど、"Sunshine of Your Love", "White Room", "Layla"といった十八番になると、どのテイクにすればいいのか選ぶだけでもえらいことですよ。
 で、そう、そろそろ自分の「葬送曲」(?)も決めておかなくてはね。でもまぁ、まだ緊急課題という程でもないのでボチボチいきましょう。
 と、いうワケで今日のBGMは、Eric Clapton "Cocaine"(2001のライブDVDヴァージョン)

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