独自に進化する日本版さんぼ
7月11日更新ということですが、瑞雲舎のHPで「ちびくろ・さんぼ2」の9月上旬発売予定がアナウンスされています。つまり岩波版で第2話として収録されていた「ふたご」のお話しですね。
「絵は、五月に惜しくも亡くなられた漫画家の岡部冬彦さん。フランク・ドビアスのデザイン化された絵を引き継ぎ、柔らかなタッチで、生き生きとしたさんぼ兄弟を描いています。」とのことですが、バナマンのオリジナルからすると何代目の海賊版と言うべきでしょうか。当初はまだ存命中だった岡部さんに「迷惑」がかかってはと復刻されてなかったわけですが、ドビアス版が大ヒットし目立った抗議もないことから復刻、という流れであるのでしょう。
こうなってくると、日本では「岩波版のドビアス版さんぼ」がひとつのオリジナルの域に達しているということで、アメリカでボスキンさんが『サンボ』を著したのに近いレベルで、<日本人にとっての『ちびくろさんぼ』/『ちびくろサンボ』のイメージ>が成立しているとういことになり、これ自体大きな文化的現象ですね。日本人の黒人差別問題への無頓着さとかそういうレベルをはるかに凌駕してきているように思えます。
「おいおい、どこまで行くねん、さんぼのにーさん」といったところです。
こうなってくると、バナマン原作の他の作品群も、ドビアスの絵柄に似せて「復刻」するのもありですね。さぁどこまで行くのか>瑞雲舎?
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