続・図書館のサーバがダウンして
岩手県川崎村立図書館のサーバ・ダウンの一件について、もうひとつ。
コンピュータが長期間使えないので貸出・返却・リクエストができません(制約されます)というのは、わかりますが、新聞記事を見ても隔靴掻痒の思いがいろいろあります。
例えば、リクエストにしても、OPAC入力(お客様が自ら機械入力する)はたしかに無理でしょうけれど、紙の予約票の受付くらいは出来たのでしょう?といったような、現場の図書館員の感覚レベルでは「当然」と思えることが省略されているといったようなことですね。新聞記事という性格上、実務レベルのことを細々と書いていないのは当然ですが、同業者としては、我が身の問題として想定した危機管理の課題として、そういう細々としたところをどう凌いでいたのかが一番気にかかるのです。
そうした隔靴掻痒のひとつが、4月29日付記事にあった次の記述でした。
図書館入り口正面には「図書館利用者の皆様へ」との張り紙で、「図書館システムの故障で、館内で資料をご覧いただくのみとさせていただきます。サービスはすべてお受けできません。」(以下略)
同じ記事に少なくとも「閲覧」はできるとあったので、文字通り「すべての図書館サービス」が提供不能ということではありません。図書館側が「サービスはすべてお受けできません。」と書いた意図がわかりかねていました。(この文章は文法的にもおかしいような気はするのですが、それはさておき。)
紙の予約票の受付が可能なのと同様、「○○関係の本はどこ?」といった質問には図書館の分類の知識が前提なので図書館員はコンピュータとは無関係に対応しているわけですし、あるいはもっとテーマを絞った問い合わせについては、資料そのものについての知識で対応しています。。。例えば、「『インフォームド・コンセント』について調べてるのだが、、、」と相談を受けた図書館員がコンピュータがなければお手上げなんてことは普通ないわけです。
図書館のコンピュータが所蔵資料の全文DBではない現段階では、コンピュータがなくても(あればより助かることがあるのは事実ですが)資料案内・レファレンスは可能なのですし、実際、老生を含めた図書館員はそうしているのですよね。。。と言いいますか、貸出・返却や所蔵目録をコンピュータで処理するよりずっと以前から、資料案内やレファレンスはやってたのですから(^_^;
その曖昧さを前提に判断した指摘をされているのが、<愚智提衡而立治之至也>さんの「図書館システムがダウンしたとき」とそれを受けた<DORAの図書館日報>さんの「不安を感じる」でした。
このお二方は、記事にある図書館側の掲示文書を文字通りに受け止めてらっしゃるわけです。老生は「予約票の受付などと同様、レファレンスも当然しているだろうが、具体的なところを知りたいな。」と思って見ています。
ほんとに他人事ではないので、詳報を知りたいですね。
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